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if (6)

category: 未分類  

 

        if(5)の続きです





       if  (6)






あのあと来亜とどうやって帰ってきたのか記憶がなかった・・・

あの時来亜に言われた言葉が自分の心の中に大きな衝撃を与えている

ずっと知っていた・・・自分が僚といても女としての幸せをつかめないことも・・・

こんな世界に生きているのだから仕方がないこと・・・

でも・・・僚といたい・・・幸せになれなくても一緒にいたい・・・それは我儘な願い・・・?

自分が僚の重荷になっていることもわかっている・・・

僚はいつだって私の身を案じ内緒で発信機をつけている

それは・・・私がすぐに掴まってしまうから・・・

自分の身も守れない弱い女だから・・・それでも僚は何も言わない

私を守るのは自分の役目とでも思っているかのように

私がいなかったら僚はもっと自由になれるの―――――?

もしも・・・私がいなかったら僚は危険な目に遭わなくて済むの――――――?

もしも・・・・もしも・・・もしも・・・・

いくら考えても答えの出ないことが頭の中を駆け巡っている

静かな暗いリビングでひとり佇んでいた

答えの出ないまま・・・答えなんて解りきっているのかもしれない・・・・

解っていても解らないふりをしていたいだけ・・・解ってしまったたら何もかもが終わってしまうから・・・

会いたい・・・僚に会いたい・・・

香の頬を涙が伝い降りてきた

あの胸にすがって泣けたらどんなにいいだろう・・・

頬を伝う涙が不安な想いすべてを流してくれたらいいと願う・・・



陽の光が香の重たい瞼を刺激し目が覚めた

いつの間にか香は僚のベットに寝ていた

昨夜は泣き疲れてソファーでいつの間にか寝てしまっていたようだ

昨日と同じで隣には僚はいない

広いベットの上にひとり・・・淋しい・・・

重たい体をのっそりと起こして階段を一人降りていった

リビングのソファーには僚が寝ていた

僚の顔を見たとたん目頭が熱く潤んでくる

昨日のことが思い出されて涙が溢れてくる

(泣いちゃ・・ダメ・・・)

そう思っても香は感情のコントロールが効かない

いっそうこのまま僚に縋って泣けたらいいのにと思う

泣いていることを悟られる前に香はキッチンへと逃げ込んだ

キッチンで僚に聞こえないように手で口を塞ぎ一人むせび泣いた・・・


-----------


僚は香が泣いていることに気がついた

昨日の会話の内容も僚は知っている

発信機を介して来亜に言われた内容すべてを聞いていたのだ

本当は起きて香を抱きしめてやりたかった・・・どこへも行くなと言ってやりたい・・・

でもそれを言ってしまえば香はここに残るだろう・・・

香(あいつ)が幸せになれれば・・・自分のそばにじゃなくてもいいと思う

この裏世界で生きていく限り自分では幸せにしてやれないことを僚はよくわかっていた

血生臭い、汚れきった自分の傍にいつまでも置いておく必要はない

来亜のそばにいれば香は陽の当たる世界(ばしょ)で幸せを手に入れられる

陽の当たる世界を歩いていけるだろう・・・

手放したくはないが・・・香が・・・香が幸せになれるなら・・・香の手を離すことも必要だろう・・・

僚は香がどんな決断を下しても受け入れようと思っていた

それが自分にツライ決断になろうとも・・・

香が幸せに暮らしていけるなら・・・自分がどうなろうと構わない・・・それが本望なのだから・・・





香は極力来亜にも僚にも顔を合わせないように一日を過ごした

僚の顔を見れば離れたくないと泣いてしまう自分がいる・・・

来亜の顔を見れば彼の言葉に流されてしまう自分がいる・・・

どうしたらいいかわからないまま一日が過ぎようとしていた

リビングのソファーにもたれ掛かりグルグルと回る思考の迷宮に迷い込んでいた

考えても答えはでないまま・・・・

「香・・・」

びっくりして後ろを振り返ると来亜がいた

考え事をしていたせいか、来亜が近づいて来る気配に気がつかなかった

来亜は香の横に腰を下ろした

香は来亜の顔をまともに見ることもできずに顔を俯かせていた

来亜は香の手を握り優しく抱き締めた

ビックと体をさせて来亜から離れようとしてもしっかり抱きしめられて離れることができないでいる

「明日・・・日本を発ちます。昨日言った言葉に嘘はない・・・愛してるんだ、香
 このままこにいても君は幸せになれない・・・彼を愛し続けるには辛すぎる・・・不幸になるだけだ・・・
 なら愛され続けるほうがいい・・・君を・・・香を幸せにしてあげるよ。アメリカに行こう・・・」

来亜は香の耳元で優しく囁いき封筒を香の手に渡した

封筒には飛行機のチケットがはいっていた

「香・・・一緒に行ってくれるならこのチケットを持って空港に来て欲しい
 待っているよ・・・」

来亜はそう言い残すと荷物を持ってアパートを出て行った

香は一人静かなリビングに残さている・・・

来亜は的確に香の心を揺さぶるような言葉をかけていく

『愛し続けても辛いだけ・・・』

・・・わかっている

僚を愛しても・・・辛いことぐらい

明日をも知れない身の僚が自分の想いに答えてくれないことも

でも・・それでも・・・・

香はソファーの上で膝を抱えて考えていた

このままでいいのだろうか・・・

出口のない迷路をひたすら歩き続けているような感覚だった

出口(こたえ)なんて見つかりっこないのに・・・



玄関の開く音が静なリビングに響く・・僚が帰ってきた

帰ってきた僚に質問を投げかけてみる

「僚は私がいなくても・・・平気・・?」

「・・・・」

僚はなにも言ってくれない

「僚は平気なの?私がいなくても・・・平気なの!!」

叫ぶように僚に問いただしたが、何も返ってはこなかった

ソファーから勢いよく立ち上がると僚に飛びかかるように胸のあたりのTシャツを握りしめ顔を見上げた

僚の顔を見た途端、香は僚への想いが堰を切るように溢れ出した

「こんなに僚のことが好きなのにどうて何も言ってくれないの!!どうしていつも黙ってばかりなの!!
 答えてよ・・・応えて・・・ううっ・・」

泣き崩れながらそのまま僚の足元に座り込んだ

見返りなど求めていなかったはずなのに・・・愛されなくてもいいと思っていたのに・・・

傍にいられればそれでいいと思っていたはずなのに・・・もう溢れ出した想いは止まらない・・・

泣いている香に僚が声をかけてきた

「ごめんな・・・・」

たった一言・・・

その言葉を聞いた香は逃げるようにリビングを出て、来亜のいなくなった自室に駆け込んでいった

自室のドアを閉めると崩れ落ちるようにその場に座りこんだ

香の聞きたかった言葉ではない

一番聞きたくない言葉に溢れ出す感情に涙が止まらない

(僚が好き・・・誰になんて言われようと僚が好き・・・なのに・・・・)

泣いて、泣いて、泣いて・・・この想いすべてが流れてしまえばいいのに・・・

香は溢れ出す涙が止まらず泣いて、泣いて、泣き続けた




――――――次の日、香は来亜とともに空港にいた―――――――





next  if (7)





  ~あとがき~

次回最終回です。


今回はカオリン泣いてばかりですね。ごめんなさい
これを書いてて思い出したのが工藤静香の「慟哭」でした。
「一晩中ないて、泣いて、泣いて、気がついたの・・・」♪















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2013_10_19

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プロフィール

パル  

Author:パル  
シティーハンターの僚×香メインのお話を書いていきたいと思っております。
何年かぶりにみたCHに再加熱して書いてみたいと思いこのサイトを立ち上げました。
パソコン初心者なのでうまくいかないことも多いかとは思いますが温かい目で見守ってください。

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